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[環境性報告]地球環境への責任と貢献 CSR報告書 | 大同特殊鋼

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(1)

 当社では地球環境に対する責任と貢献として 、環境負荷低減および循環型社会を目指した取り

組みを推進しています。社内においては、環境マネジメントシステムを構築し、社員教育や現場の

監査にも力を入れています。

 また、高い技術力に基づいた素材を提供することで最終製品の性能面からも地球環境に貢献し

ています。

(2)

 大同特殊鋼グループは、素材の可能性を追求し、人と社会への貢献を謳った経営理念に基づき、長期的かつグローバル な視点に立って、すべての事業活動において環境の保全と循環型経済社会の発展との調和に努め、「環境調和型社会の構 築」と「地球規模の環境保全」に貢献します。

環境理念

基本方針

具体的行動指針

1.

事業活動全般における環境負荷低減と

環境の保全

ISO14001

環境マネジメントシステムをベースとして、関連

法規制・協定などの遵守はもとより、購入、生産、物流、販売 などのあらゆる事業活動において、省資源、省エネルギー、 リサイクルに努め、継続的な環境保全と改善を図ります。

2.

エコ製品・環境エンジニアリングおよび

サービスによる社会貢献

 事業活動の中心である特殊鋼製品の製造に、鉄資源リサ イクル推進の主役を果たすことはもちろん、高機能性材料の

環境理念

基本方針

開発・提供および複合経営の特徴を活かした環境対応設備の 開発・販売を推進します。更に、当社がこれまで培ってきた技 術を応用した環境ビジネスを積極的に開拓し、環境負荷低減 に貢献します。

3.

エココミュニケーションの推進

 「基本方針」に基づく活動内容や結果などを環境情報とし

て社内外に公開することは、「良き企業市民」としての責務と

認識し、

CSR

報告書などの色々な媒体を活用して広く社会に

情報提供し、多くの人々からの意見・理解を得ながら、継続的 な環境保全活動を推進します。

大同特殊鋼の 目指すべき姿

理念の実現に向けた行動の方向性

基本方針に沿った具体的な行動指針

環境マネジメント

当社では、環境に対する基本姿勢を明確にし、それを実行するための体制を整え、環境マネジメントを推進してい

ます。

(3)

1.

事業活動全般における環境負荷低減と

環境の保全

1

)環境保全体制、組織の強化

 「

ISO

環境マネジメントシステム」の運用により、環境管理

体制および組織を強化充実し、自主的かつ継続的な地球環境 保全活動に取り組み、環境の改善と循環型経済発展の両立 に努め、環境に優しい企業を目指します。

2

)環境関連法規制の遵守と迅速な対応

 環境関連法規制・協定の遵守は当然のこと、環境負荷削減 技術・設備を積極的に導入し、環境負荷物質の排出量削減に 努めます。

3

)省資源、廃棄物の減量化、リサイクルの推進

 鉄スクラップの最大有効活用、事業活動にともない発生す るあらゆる副産物のリサイクル技術開発および他業界の副産 物活用などにより、ゼロエミッション社会実現を目指した省資 源・リサイクル活動を展開します。

4

)省エネルギーの推進

 地球温暖化防止の視点から、より一層の省エネルギーを目 指し、製造段階でのエネルギー効率改善や省エネルギー設 備の導入など、中・長期的視野に立った環境対策を推進し ます。

 更に、原材料調達・製品流通などでの物流段階およびオ フィスでの省エネルギー対策を併せて推進します。

具体的行動指針

2.

エコ製品・環境エンジニアリングおよび

サービスによる社会貢献

1

)環境貢献型製品・設備の開発・提供

 製品の高強度化、高靱性化、耐熱・耐食性の向上など、材 料特性を徹底改善した製品の開発に努め、客先における製品 寿命の延長、工程省略、材料節減、軽量化などを可能とする 高機能性材料を提供し、環境負荷低減に貢献します。  また、機械事業部や生産部門の技術ノウハウを応用して開 発した環境設備や環境技術を、広く社会に提供します。

2

)環境ビジネス・事業化への取り組み

 循環と自然との調和をキーワードに、積極的に付加価値を 生み出す「開発型」の環境ビジネスの発想が必要であり、これ まで培ってきたあらゆる技術と新技術の開発により、環境ビ ジネスへの取り組みを展開します。

3

)国際技術協力の推進

 関連業界・関係各国とも連携して、環境保全・省資源・省 エネルギーに関する操業指導、技術移転、研修生受け入れ など、当社の保有する関連環境技術を活かしながら、国際的 環境保全活動に取り組んでいます。

 また、海外での事業活動の展開に当たっては、相手国の環 境基準・法規制などの遵守はもとより、継続的改善に努め ます。

3.

エココミュニケーションの推進

1

)環境教育の充実とボランティア活動の推進

 事業活動における環境負荷低減のためには、従業員すべ ての自主的な取り組みが益々重要であり、従業員教育を充実 させることにより環境感性の高い人づくりを推進し、企業内 のみならず地域ボランティア活動への積極的な参加と支援を 行います。

2

)環境情報の提供と公開

 環境に関する活動内容やその結果などを情報として、従 業員のみならず顧客、投資家、地域住民など社内外に広く 公開することにより、多くの人々からの意見・理解を得なが

ら環境保全活動の推進に努め、「良き企業市民」としての責

務を果たします。

環境マネジメント

(4)

 当社では、グループ全社を統括する環境マネジメントシステムの構築と実践を行っています。

 当社では業界に先駆けて

1996

年より順次

ISO14001

の認証取得を開始し、

1999

年に全製造工場が取得を完了、

2006

年にはグループ内全製造会社の取得が完了しました。

 このマネジメントシステムの円滑かつ継続的運用のため、環境方針・行動目標・計画が確実に実施されるよう

PDCA

イクルを徹底して行っています。

PDCA

サイクル】

Plan(計画): 実績や予測をもとに計画を作成する。

Do(実行): 計画に沿って業務を行う。

Check(点検・評価): 業務の実施が計画に沿っているか確認する。

Action(処置・改善): 計画に沿えなかった部分を洗い出し処置・改善をする。

環境マネジメントサイクル

PLAN

CHECK

ACTION

DO

• 環境方針の策定

• 環境行動目標・計画の設定 (中期計画・年間計画)

• 環境行動計画のレビュー

• 環境方針・目標値の見直し

• 各工場の環境保全活動

• 各グループ会社の環境保全 活動

• 外部監査(1回/年) • 内部監査(1回/年)

• 環境委員会、エネルギー委員会(各2回/年)

• 環境担当者会議(2回/年) • 各工場環境委員会(2回以上/年)

• 大同グループ環境連絡会、エネルギー連絡会(各1回/年)

環境マネジメントシステム

環境マネジメント

(5)

環境およびエネルギーマネジメント推進体制

 当社では、年

2

回の環境委員会およびエネルギー委員会を

開催し、各分野の課題や対応方針を検討し全社的な取り組み を決定しています。これを受けて環境部と技術企画部は全社 の環境・エネルギー担当者を招集し全社の取り組みの円滑な 推進を図っています。

 また、グループ会社に対しても年

1

回の環境連絡会議を開催

し、大同グループ内外の取り組みについての情報共有とリスク コミュニケーションの場としています。加えて環境巡視などに よリ、現地現物で取り組み状況の進捗確認を実施しています。

環境重点設備点検(星崎工場) 環境委員会

特別環境巡視(知多工場)

環境重点設備点検

 星崎工場では、環境への影響度が懸念される設備を指定し、 各設備を、毎月重点的に点検する「環境重点設備点検」を実行し ています。副工場長、公害防止管理者、設備担当者で構成され たチームが、設備の個別点検、計測器の動作確認、緊急時のシ ミュレーションなどを実施して、環境に影響する重大事態の発生 を未然に防止できるよう努めています。

特別環境巡視

 知多工場では、日々の環境パトロールのフィードバックから重

点的に点検する環境項目を定め、場内を

4

つのエリアに区分し

て、工場幹部全員、更に労働組合・構内協力会社幹部および環

境担当部門で構成されたチームで月

1

回の特別環境巡視を行

い、現地現物で環境情報を吸い上げ、環境に影響する事態の未 然防止に努めています。

大同グループ環境連絡会、エネルギー連絡会(各1回/年)

環境部・技術企画部

環境担当者会議(2回/年) 経営会議

(方針・目標・計画の審議)

各工場 外部審査機関

各グループ会社

環境委員会(2回/年)

委員長 :環境部担当役員

各委員 : 技術企画部長、総務部長、技術開発研究所長、

新分野事業部長、各工場長、各テクノセンター長

エネルギー委員会(2回/年)

委員長 :技術企画部担当役員

各委員 : 総務部長、技術開発研究所長、

各工場長、各テクノセンター長

内部監査 外部監査

環境マネジメント

(6)

環境関連有資格者数(2017年6月現在) (人)

公害防止管理者

主任 33

大気(1∼4種) 61

水質(1∼4種) 57

騒音・振動 49

ダイオキシン類 37

環境計量士 濃度 5

騒音・振動 3

エネルギー管理士 71

作業環境測定士 2

ISO審査員補 環境マネジメントシステム 5

ISO内部監査員 環境マネジメントシステム 121

内部監査員養成講習会

環境教育

 社内では、研修システムや定期的な環境意識向上運動、更に は外部から専門家を招いての環境学習など、さまざまな方策に よって常に環境意識の向上を図っています。また、環境モデルを 設定し、エコ運動を支援するなど、一般向けの環境保全・自然愛 護の啓発にも取り組んでいます。

環境モラル向上に向けた活動

 新入社員教育、新任中間管理職教育など、ランク別の教育 コースの主要テーマとして環境に焦点を合わせ、環境マネジメ ントの意義や方針、実施方法の理解と徹底を図っています。ま た、外部から専門家を招き、環境啓発の講演を随時開催してい ます。環境・リサイクル・省エネルギーを目指す月間運動を設定 し、工場別に独自のイベントを実施するなど、常時全社的な活動 を展開しています。

内部監査員の養成と技能向上

 毎年

1

回、外部講師を招いて、

2

日間の内部監査員養成講習会

を開催しています。本講習会を通じて、当社ならびにグループ各 社から多くの社員が参加し、環境関連内部監査員の資格を取得

しています。また、毎年

1

回、当社ならびにグループ各社の環境

関連内部監査員有資格者で内部監査に従事している監査員を対

象に、技能向上のための

1

日講習会を実施し、技能向上を図って

います。

外部講師による「環境講演会」

環境マネジメント

(7)

 大同特殊鋼の生産システムは、鉄スクラップを主体に原料の

89%

がリサイクル品であり、起点からの環境保全型に適し

たフローになっています。製造工程の排ガスにおいては、燃料転換や燃料原単位改善を推し進め 、

CO

2および硫黄酸化

物(

SOx

)排出量の大幅な削減を実現しています。また、工程で発生する副産物についても、社内リサイクルや路盤材な

どの外販再生品として有効利用しています。

大量のエネルギーを消費し製品を造り出す製造業にとって 、環境負荷低減は果たすべき重要な使命です。当社で

は、省エネ設備の導入や技術開発をはじめとする各種施策を講じることで、省エネルギーおよび二酸化炭素(

CO

2

の排出量削減に着実に成果を上げています。また、化学物質排出の低減にも積極的に取り組み 、排出量の削減や

移動量の削減に努めています。

環境負荷低減への取り組み

大同特殊鋼の生産フロー

(PRIME含む)

生石灰 蛍石 還元材(C、Aℓ、 Si)

※ CO2: 工場で使用するエネルギーからCO2トンに換算

電力の換算系数は0.374kg-CO2/kWhを用いた

SOx:工場で使用している燃料中のS分をSO2に換算

NOx:排ガスサンプリングからNO2に換算

143.2万トン

8.1万トン

31.0万トン

16.35 2,289 102.9

19.9 3,734 6

4,980

31.0 30.0 0 12.1 2,319

366 319

5.2万トン

0.6万トン

2.5万トン

3.2万トン

0.6万トン

0.6万トン [2016年度実績]

2.1

(8)

環境保全投資

/

コスト

 当社は環境負荷物質を発生源で抑制するための各種設備の導入や技術開発を行っており、投じたコストに見合う効果を 上げています。

環境保全投資

 環境保全のために、多年にわたって、集じん装置の導入、硫

黄酸化物(

SOx

)・窒素酸化物(

NOx

)低減のための燃料転換、歩

留向上と工程省略を可能にする連続鋳造設備の導入、排水中の フッ素低減技術の導入、燃焼設備のリジェネレーティブ化、コ ジェネレーションなど省エネ設備の導入といった対策を継続実

環境保全コスト

2014

2016

年度において投資した

環境保全対策コストとその効果を環境省 のガイドラインに従って定量化し、右記の ような結果が得られました。

2015

年度は渋川工場が出荷した鉄鋼

スラグ製品の調査および処理のために負

担することになる

53

億円を環境損傷対応

コストとして計上しましたが、

2016

年度

は調査および処理が進みコストも低下し ました。

施し、その累積投資額は

2016

年度末で

775

億円に及んでいま

す。

2016

年度の主な投資内容は、渋川工場の粉じん対策、知多

工場電気炉集じん装置の整備などとなっています。

環境関連対策投資累積金額と主な投資内容

(億円)

効果(百万円)

14年度 15年度 16年度

リサイクル 471 428 431

埋立抑制 850 451 1,081

廃棄物の減量化 0 0 0

合計 1,321 879 1,512

環境保全コスト(百万円)

14年度 15年度 16年度 1. 事業エリア内コスト 10,407 9,196 10,086

2. 上・下流コスト 111 550 423

3. 管理活動コスト 717 689 699

4. 環境のための研究開発コスト 4,944 5,104 5,632

5. 社会活動コスト 26 27 29

6. 環境損傷対応コスト 78 5,365 611

合計 16,283 20,931 17,480

(年度)

16 15 14 13 12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01 00 99 98 97 96 95 94 93 92 91 90 89 0 400 200 600 800

知多工場No.2連続 鋳造設備建設 知多工場建屋 集じん設備増強 知多工場

排水処理設備遠隔監視化 知多工場

フロン代替洗浄設備の導入 知多工場

電気炉ダスト処理設備建設(DSM) 知多工場

加熱炉リジェネバーナー導入 渋川工場 スカイハウス設置 星崎工場 排水中窒素低減対策 (酸洗ライン更新) 星崎工場コジェネレーション設備

知多工場 集じん装置更新 局所集じん装置設置 知多工場 各集じん装置設備 エコタウン関係 北均熱炉燃料ガス転換

No.1ボイラ燃料ガス転換 2600トンプレス用 「高恒温リジェネ炉」の導入

スラグ処理場 粉じん対策

ダスト・スケール造粒装置(PRIME) 知多、渋川工場集じん能力向上

集じん 装置 増強

スラグ フッ素レス 製鋼集じんダクト更新 バグフィルター更新

渋川工場燃料転換 知多、星崎、渋川工場 排水合理化 知多、星崎、渋川工場、 築地テクノセンター排水合理化

星崎工場新中和リプレース 知多工場地金溶断作業廃止、

LF1集じん切り替え

星崎工場 雨水排水処理、 知多工場 製鋼集じん機の増強

渋川工場 粉じん対策 知多工場 電気炉 集じん装置 の整備

環境負荷低減への取り組み

(9)

地球温暖化対策

 日本の鉄鋼業は早くから石油系エネルギーの削減、排熱回収、操業技術改善などに取り組み、世界最高水準の省エネル ギー生産体制を構築して地球温暖化対策に貢献してきました。こうした活動のガイドラインとなったのは、一般社団法人日 本鉄鋼連盟が中心となってまとめた自主行動計画で、当社はこれに沿った設備や操業の改善、技術の開発を推し進めて、着 実に成果を上げてきました。

2013

年度より、自主行動計画は後継の「低炭素社会実行計画」に引き継がれ、当社も日本の

鉄鋼業界の一員としての責務を果たしていく所存です。

省エネルギー対策への重点投資

 当社は、

1996

年度から

2016

年度までの

21

年間で、累計

177

億円を省エネルギー

対策(

CO

2排出量削減)に投入しています。

この投資は、主にリジェネバーナー(燃焼 排ガス熱回収バーナー)などの技術導入や 燃料転換に充当され、加熱炉、均熱炉、予 熱装置など燃料多消費設備の高効率化を 推し進めてきましたが、

2016

年度には

No.2

連続鋳造ラインの合理化(

40

億円)を決定

し、溶鋼物流の整流化および特殊ステンレ ス鋼などの連続鋳造比率拡大により省エ ネを図る計画です。これらの省エネ投資に

より

CO

2排出量の削減、地球温暖化防止に貢献していきます。

CO

2

排出量と原単位削減への取り組み

 当社は、

2008

年度から

2012

年度までの

5

年間で

CO

2の平均

排出量を

10%

1990

年度実績比)削減することを目標に、加熱

炉の排熱回収利用拡大、燃料転換、連続鋳造比率アップによる

歩留向上などの施策に取り組んだ結果、平均排出量を

24.7%

削減することができました。

2014

年度には、知多工場に

198

円を投じて設置したエネルギー効率に優れる最新鋭の電気炉に

よる合理化効果が通年にわたり発現し、

CO

2排出原単位は

2005

年度比マイナス

10%

と大幅に向上しました。その後も引き続き

導入した製鋼工程での取鍋予熱酸素燃焼化等の効果発現により

2016

年度は更に改善しています。

CO

2排出量と原単位の推移

CO

2排出量と粗鋼量の相関

(千トン-CO2/年) (kg-CO2/生産量) (千トン-CO2/年)

*電力のCO2排出係数:0.374kg-CO2/kWh

CO2

CO2

CO2

省エネルギー対策累計投資額(

1996

年以降)

(億円)

(年度)

16 15 14 13 12 11 10 09 08 07 06 05 800 600 400 2,000 1,500 1,000 500 0 200 0

CO2排出量   CO2原単位    

1,291 1,291 1,389 1,389 705 742 1,314 1,314 690 1,041 919 1,125 1,138 733 750 703 701 1,061 705 1,041 722 1,071 1,003 1,029 661 640 667

–7% –5%–25%–34%–19%–18%–24%–25%–23%–28%–26%

*電力のCO2排出係数:0.374kg-CO2/kWh

(年度)

1,400 1,200 1,000 800 1,800 2,000 1,600 1,400 1,200 09 1312 14 16 15 10 11 06 07 05

16年度実績:1,029 08

(千トン/年)

粗鋼量

16 15 14 13 12 11 10 09 08 07 06 05 04 02 00 98 180 150 120 90 60 30 0

* 知多工場製鋼革新合理化198億円、渋川工場特殊溶解プロセス増強66億円、工具鋼溶解再編53億円は含まず 環境負荷低減への取り組み

(10)

運輸面での

CO

2

排出量削減

 地球温暖化対策として、運輸部門の

CO

2排出量削減も課題になっています。重工業には重量物の運輸がともないますの

で、当社はサプライチェーンと協力してモーダルシフト

*

、それをサポートする施設の改善、また 、

CO

2排出量の削減に

寄与する物流効率化を推進して、環境への貢献に努力を注いでいます。

モーダルシフト

 当社の運輸面での

CO

2排出原単位は、

2003

年度からのモー

ダルシフト推進の結果、漸減を続けてきました。当社ではモーダ ルシフトを進めるために、各種投資も行ってきました。雨天でも 船舶による鋼材出荷ができる全天候バースの設置により、自社製

品の約

20%

CO

2排出原単位が少なく環境効率の高い内航船

にて輸送しています。また、輸送品質・積載効率を兼ね備えた専

用無蓋コンテナを製作し、

2003

年に名古屋地区の工場から新潟

地区向けに鋼材輸送を、

2006

年には同工場から秋田地区向けお

よび新潟地区客先工場向けをトレーラーから鉄道輸送に全面転 換しました(

2016

年度実績:線材

2.4

万トン、棒鋼

1.3

万トン

/

年)。

 更に、仙台地区向けではフェリー輸送を実施しており、

2008

年にはモーダルシフト拡大に向けた体制を構築したことが評価

され、第

1

回エコシップマーク認定事業者となりました。

 今後もトラック輸送から船舶・鉄道へのモーダルシフトをより 積極的に推進していきます。

* モーダルシフト…自動車や航空機による輸送を鉄道や船舶による輸送で代替すること。 省エネルギー効果、CO2排出量削減効果などがある

運輸部門の

CO

2排出原単位

(kg-CO2/トン)

CO2

CO2

エコドライブの実施

 トラック輸送では、右記のようなきめ細かなエコドライブを徹 底し、人と環境に優しい安全・低エミッション運転を徹底させるよ う努めています。

コドラ

1. スピードの抑制:100km/h→80km/hで20%燃費削減

2. 急発進・加速をしない:20%以上の燃費削減

3. エンジンブレーキやエキゾーストブレーキを使用した惰力

走行の推奨:燃料消費を抑える

4. 早めのシフトアップ・遅めのシフトダウン:15%の燃費削減

5. 加速・減速の繰り返しを控える:燃費削減

6. タイヤ空気圧のこまめな点検:規定値より20%低いと

8%燃費悪化 7. アイドリングストップ

エコシップマーク

鉄道による輸送

16 15 14 13 12 11 10 09 08

22.0

21.0

20.0

19.0

18.0

17.0

19.9 20.2 19.9 19.8 19.8 20.2 19.9

19.5 19.4

列車・トレーラー共に積載可能な鋼材専用 無蓋コンテナ

環境負荷低減への取り組み

(11)

省エネルギー取り組みの更なる推進

【エネルギー効率の追求】

 目標達成のため、溶解・加熱に最新技術を開発・導入し、熱ロスの徹底削減を追求していきます。その主な取り組みについてご紹介 します。

スクラップ均一溶解技術

 知多工場で

2013

11

月に稼働を開始した

150

トンアーク炉では、当社が開発した炉体旋回を用いたスクラップ均一溶解技術を

徹底追求し、従来炉比で

15%

のエネルギー原単位改善を達成しています。

中 ル ー

2030

10%

2013

BAU

ード ップ

酸素燃焼技術

 酸素燃焼は高い火炎温度が得られ、排ガス量も減少するため、当社で取り扱う

ことの多い

1,000

℃を超える温度領域で、よりエネルギー効率を向上させること

ができます。

 製鋼工程で使用する取鍋予熱装置への適用事例(右図)では、従来の空気燃焼

比で

40%

のエネルギー削減を達成しています。

 更に均熱炉などへの技術の適用拡大について検討中です。

加熱炉耐火物の熱容量低減

 当社は

150

基を超える加熱炉、熱処理炉を保有しています。常温から炉の使用

温度まで昇温するためのエネルギーを削減するには、耐火物の軽量化が有効です。  可能な限り軽量かつ断熱性に優れるセラミックファイバーを採用することで、鍛

造加熱炉への適用事例(右写真)では従来比

13%

のエネルギー削減を達成して

います。

炉体旋回電気炉

渋川工場鍛造加熱炉への適用事例 セラミックファイバー化

(従来は不定形耐火物+レンガ)

酸素拡散燃焼により、焼ムラなく 均一な予熱が可能

[スクラップ装入後]

コールド スポット

電極

[溶解中] [炉体旋回後]

炉体旋回 コールドスポット 電極 溶解 解 ル ー

酸素 燃料

環境負荷低減への取り組み

(12)

化学物質の排出量低減

PRTRデータ

 「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(

PRTR

法)

*

に従って、当社では一般社団法人日

本鉄鋼連盟作成のマニュアルに基づき、化学物質の排出量および移動量を把握し、毎年行政への届け出を行っています。

 環境リスクの大きい化学物質が大気・水などの環境中に排出されると、人類を含めた生態系に有害な影響を及ぼします。このよう な環境リスクを低減させるため、環境中への排出量と廃棄物としての移動量を把握して、化学物質の排出量削減に努めています。

2016

:ト / mg-TEQ/

政令番号 1 87 132 243 305 308

物質名 水溶性化合物亜鉛の 3価クロム化合物クロムおよび コバルトおよびその化合物 ダイオキシン類 鉛化合物 ニッケル

排出量 1. 大気 0 0.060 0.001 760 0 0

2. 公共水域 2.3 0.11 0 1 0 0

移動量 所外リサイクル

所外最終埋立処分 0 600 5.5 0 53 0

政令番号 309 321 374 412 453

物質名 ニッケル化合物 バナジウム 化合物 ふっ化水素および その水溶性塩 マンガンおよび その化合物 モリブデンおよび その化合物 (ダイオキシン類除く)

排出量 1. 大気 0.043 0 0 0.14 0.023 0.27

2. 公共水域 1.50 0 43 8.7 1.4 57

移動量 所外リサイクル

所外最終埋立処分 99 37 0.69 1,400 56 2,300

*PRTR

有害な化学物質が、どの発生源からどのくらい環境中に 排出されたか、あるいは廃棄物に含まれて事業所の外に 運び出されたか、そのデータを把握し、集計し、公表す る仕組み。事業者は年1回、行政機関に届け出る

(出典:経済産業省ホームページ)

事業者

国民 行政

環境負荷低減への取り組み

(13)

ダイオキシン類の

 排出量削減

 当社は製鋼用電気炉(知多工場)から 発生するダイオキシン類の削減を目指す 日本鉄鋼連盟制定の自主管理計画に参画 し、製鋼用電気炉のダイオキシン排出濃

度は

2002

12

月から既設炉に適用され

るようになった基準値≦

5ng-TEQ/Nm

3を

大幅に下回って推移しています。

PCB

管理

 「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」(

1972

制定・施行)および

PCB

特別措置法(

2013

年制定)に従って、当

社では

PCB

を含有するすべてのトランスおよびコンデンサーの

管理システムを整え、管理台帳によるグループ会社も含めた厳 密な保管管理と適正処分を実施しています。

 法に定められた期限内での適正処理に向け取り組みを実施し ています。

PCB

トラ ス コ ー 2017 3

工場 廃棄物の保管数

高濃度PCB 低濃度PCB 汚染物※

知多工場 745 9 9

星崎工場 522 19 2

渋川工場 24 0 10

築地テクノセンター 215 1 0

川崎テクノセンター 428 0 0

王子工場 62 2 0

君津工場 80 0 0

技術開発研究所 180 0 3

滝春テクノセンター 0 0 0

新分野事業部 0 0 0

小計 2,256 31 24

グループ会社 212 36 36

※汚染物:油付着ウェスなど

ng-TEQ/Nm3

フロン類の管理

 地球温暖化に深刻な影響をもたらすフロン類の大気中への排

出を抑制するため、「フロン排出抑制法」(

2015

年施行)に従った

適正管理を継続しています。

 業務用エアコンなどの対象機器の簡易点検、定期点検、漏洩 量の算定などを行っています。

16 15 14 13 12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02

電気炉   建屋集じん 0

1.0 2.0 4.0

3.0

5.0 基準値

環境負荷低減への取り組み

(14)

大気環境保全

 大気汚染物質の主要なものは硫黄酸化物(

SOx

)と窒素酸化物(

NOx

)で、当社で

はその排出量削減に努めています。

SOx

については硫黄を含有していない天然ガス

への転換に努めた結果、星崎工場および渋川工場では全廃しました。知多工場に

おいてもほぼ全廃となり、大幅に減少しました。

NOx

については、燃焼改善に努め

ています。また当社では、電気炉から発生するばいじんを集じん装置で捕集し、 周囲への飛散を最低限に抑えています。また、道路散水や道路整備により、粉じん の巻きあがりや飛散防止にも努めています。

大気・水質環境保全対策

知多工場150トン電気炉の新集じん装置

SOx

SO

2

ト /

NOx

NO

2

ト /

16 15 14 13 12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01 00 99 98 97 96 90

0 200 400 600

知多工場   星崎工場   渋川工場   築地テクノセンター   川崎テクノセンター   王子工場

16 15 14 13 12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01 00 99 98 97 96 90

0 200

100 300 400 500

知多工場   星崎工場   渋川工場   築地テクノセンター   川崎テクノセンター   王子工場

知多工場 小型圧延

重油全廃 星崎工場重油全廃

知多工場 分塊圧延 線材圧延 重油全廃

環境負荷低減への取り組み

(15)

水質環境保全

 熱作業を多くともなう鉄鋼生産では冷却水を大量に使用します。これを処理して繰り返し再利用し、工場外への排出を極力抑え

ており、水の循環率は各工場とも

90%

以上に達しています。工場から公共水域への排水は浄化処理の後、厳重に水質を監視して

います。また、近年増加しつつあるゲリラ豪雨への対応を主たる目的として、知多工場をはじめ各工場で雨水の一時貯留および処 理能力の増強に取り組んでいます。水質測定データについては、所定の監督官庁に報告しています。

星崎工場排水処理

酸素

BOD

SS

mg/L

16 15 14 13 12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01 00 99 98 97 96 90

0 2 4 6

BOD濃度   SS濃度

環境負荷低減への取り組み

(16)

製鋼スラグのリサイクル

 製鋼スラグを用いた鉄鋼スラグ混入路盤材は、

2000

年制定

のグリーン購入法によって調達品目に選定されました。  製鋼スラグは、天然資源保護や温室効果ガス発生抑制などの 地球環境保護・保全に寄与する貴重な再生資源です。当社(知多

工場)では

2015

1

月に改訂された「鉄鋼スラグ製品の管理に

関するガイドライン」に沿って第

3

者審査を受け、適正な品質管

理のもとに製鋼スラグ製品を製造・販売しています。一方、渋川

工場が製品化した鉄鋼スラグを路盤材として使用した群馬県内

公共工事におきまして、

2013

年に基準を超えるふっ素および六

価クロムが検出されました。渋川工場は

2014

1

月から鉄鋼ス

ラグ全量の製造販売を中止しました。その結果、鉄鋼スラグの資 源化量が減少し埋立量が大幅に増加しましたが、今後は新たなリ サイクル用途を開拓し、埋立量の削減に取り組んでいきます。

スラ

ト /

水や大気の汚染、森林伐採、砂漠化など世界中で地球環境の破壊が叫ばれる中、有効な対策の一つとして先進諸

国は循環型社会へのシフトを進めています。

2016

電 炉 スクラップ

31.0

/

クル スラ

42.1

/

30.0

12.1

0

スラ

循環型社会を目指す取り組み

副産物のリユース・リサイクル

[副産物の活用方法]

PRIME

(ダスト・スケール 造粒リサイクル設備) (2007年3月より)

DSM

(ダスト溶融 還元設備) (1996年4月より)

16 15 14 13 12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01 00 99 98 97 96 95 90

0 10 20 30

埋め戻し材   路盤材原料   路盤材

スラグ

スケール

集じんダスト

排水スラッジ

酸洗スラッジ

レンガ屑

スラグ路盤材

製鋼原料、高炉原料

埋立処分

埋立処分

埋立処分

製鋼副資材、埋立処分 ろ過材

埋め戻し材

ペレット化→製鋼原料 コンクリート骨材

スラグ:重量骨材

二次ダスト:亜鉛原料

(17)

クル

ト /

(%)

スラグ

59.5

%

スラグ

59.6

%

2016年度 有効活用副産物発生量内訳 (除社内発生スクラップ)

30.0万トン/年

2016年度 未活用副産物発生量内訳

12.1万トン/年

スケール

22.6

%

ダスト

8.2

%

スラッジ 

3.1

%

レンガ

3.7

%

その他

2.9

%

スラッジ

15.9

%

レンガ

11.9

%

スケール 

0.2

%

その他

6.4

%

(年度)

ダスト

6.0

%

16 15 14 13 12 11 10 09 08 07 06 05 00 95 90

12.3

9.9

6.2

15.8

7.0 78.0

72.7

83.9

10.8 12.1 74.6

66.2 71.3

100

80

60

40

20

0 0

6 12 18 24 30

86.3

循環型社会を目指す取り組み

参照

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